ヒトで確認できたホルミシス効果

 ―身近なホルミシス、ラドン浴―

 

変形性関節症改善のメカニズムかわかった

岡山大学の山岡聖典教授らは、三朝医療センターのラドン高濃度熱気浴室で、変形関節疾患者に1日40分、1日おきのラドン温熱治療を行いました。その際、治療前、1回目の治療後 治療開始から2週間後、4週間後、6週間後と順に採血し、それを元に各種の分析を行っています。患者と比較検討するため、健常者より変形関節症患者に以下の顕著な改善があることがわかりました。
  1. 血液を培養して免疫活性を測定する試験で、免疫が促進されていることが判明した。
  2. 抗酸化酵素であるSOD、カタラーゼが有意に増加した。また、総コレステロール量、過酸化脂質量有意に低下した。心臓病、高血圧をはじめ活性酸素病である数々の疾患に効果がある可能性が確認された。
  3. βエンドルフィン(脳内麻薬とも呼ばれている)やACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が増加することが確認された。ラドン浴により、痛みの緩和やストレスに対するホルモン増加が示唆された。
  4. 毛細血管や細い動脈を収縮させるバゾプレッシンと呼ばれるホルモンが有意に減少した。また、血管拡張作用のあるa-ANP値が有意に増加したことにより、ラドン浴が抹消組織での血液循環を促進することが判明した。

 

 

気管支喘息を改善するメカニズムがわかった

気管支喘息でも同じような改善が見られました。

  1. 喘息はいわゆる免疫のアンバランス状態によって起こります。ラドン浴では変形関節疾患者とは対照的に免疫を抑制する作用が確認されました。これはラドン浴が免疫バランスを調整する効果があることを示唆しています。
  2. 同様に、SOD、CAT活性が向上。ラドン浴に抗酸化作用の活性化があることが判明しました。
  3. ラドン浴によりACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が有意に増加。副腎から炎症作用のあるホルモン(等質コルチコイド)が多く分泌されるため、抗炎症作用が向上し、気道の炎症が改善できることが判明しました。
  4. 炎症の起炎物質(ケミカルメディエーター)の代表であるヒスタミン値が有意に減少。これによりラドン浴が、気管支の急激な収縮の原因であるヒスタミンに対して抑制的効果があることが判明しました。ヒスタミンを抑制することにより、各種アレルギーにもラドン浴が有用ということが示唆されたのです。

上記のいずれも、ラドン浴開始から4週間目に、実験値がピークになることが判明しています。4週間で各種数値が高止まりして一定化したということは、ラドン浴は4週間以上実施することで最も効果が出ることを意味しています。これは、バドガシュタインの坑道浴治療の場合ともよく似ています。

このラドン浴による治療は何を示唆しているのでしょうか。

これまで紹介してきた低線量放射線によるホルミシス効果は、一部の臨床例を除いて(ホルミシス臨床研究会の臨床例は数少ない例外)、動物実験を中心に語られてきました。しかしラドン浴は、実際のヒト(学問的には人間のことをヒトと呼びます)に応用した治療結果です。

われわれが実際に体験できる身近なホルミシス効果が、ラドン浴なのです。

 

ヒートショックプロテインについて

温泉にはさまざまな効果があることが知られています。わが国では昔から「湯治」といって温泉で病気治療を行ったり、疲れた体をリフレッシュしたり、ストレスを発散してきました。日本人は世界一温泉が好きな民族といってよいでしょう。
その温泉につかって体を温めると、人の体の細胞内に「ヒートショックプロテイン(HSP)」と呼ばれる抗ストレスタンパク質が出現します。ある種の生体反応といえますが、HSPは40度程度で最も産出されます。

HSPの生理的作用は、傷ついた細胞を修復したり、免疫活性を上げたりすることによって生体の防御システムを活性化することです。温熱や入浴が病気治療だけでなく、美容やスポーツなど各方面で応用されているのはこうした理由からです。温泉に入ることでラドンとの相乗効果も期待できます。

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(「医師がすすめる低放射線ホルミシス 驚異のラドン浴療法 ホルミシス臨床研究会編 監修 川嶋朗 東京女子医大准教授」より引用抜粋